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●以下は出演者専用のサイトの一部(資料として公開しています)

やっぱりみんな

ストレンジャー

概略

 

●出演者

(9/25時点)

↓以下は10/6 10:00~14:00(途中休憩有り)稽古に出席

 

あゆねさん

たいねーさん

森川さん

タニスギ

晴美さん(13:00まで稽古OK)

 

↓以下は10/6の稽古は欠席

 公演当日10/12 10:00〜稽古

 

玲子さん

ハチさん

パパリンさん

水沼さん

ソンブレロさん
herb teaさん(ソンブレロさんのパートで声の出演)

 

●スケジュール

9/15~30

希望をお知らせいただければ随時配役を決定します。質問も随時受け付けます。
 

9/23

出演者募集(1次)締め切り

9/26​

配役発表。

9/30

セリフ(カンペ)最終決定

 

10/6

稽古10:00~14:00(途中休憩有り)

 

10/12

10:00~ 10/6の稽古に参加できなかった人の稽古

 

10/12

13:30 16:30 本番

 

●コンセプト

観客にストレンジャーになってもらう。

ストレンジャーとは異邦人、他人、見知らぬ人のことだがこのお芝居では多数派(マジョリティ)の中で、孤立する社会的少数者(マイノリティ)もストレンジャーとして扱っている。

社会問題をあつかう演劇にありがちなシリアスさを、バカバカしいユーモアでショートカットしてテーマにアプローチする。

そして観客自体がストレンジャーのフリをすることでストレンジャーを理解する。

なんてね。知らんけど。

 

●劇の概要

  • 観客はカナリアホール受付で説明を受ける。ストレンジャーバッジ(スタッチョ・バッジ)を付ける。ここからお芝居は始まっている。(受付は30分前から)

  • 観客(ストレンジャー)は街に出て演者を見つける。(エリアはタゲンさん↔北とぴあ↔北とぴあの横の細い道)

  • 演者は観客(ストレンジャー)を見つけ最初に雑談(アドリブ)をする。

  • カンペのパートに入る。カンペ(スケッチブック)の裏表に裏(演者用)表(観客用)のセリフが書かれたもの。出演者がカンペを読む。(スマホの使用はやめました)答える形で観客(ストレンジャー)にカンペを読んでもらう。観客(ストレンジャー) には、演者のせりふのカンペはみえない。演者は適度なアドリブも可。最後に雑談してもOK。

文章では分かりづらいので絵で説明

カンペ.jpg

​​

  • 2~3人組で観客(ストレンジャー)が来た場合は、2~3人のだれか1人をターゲットとして演技する。次の人が待っているようだと同じことをやってはつまらないので、カンペを2種用意しておき、前の組とはちがうカンペをやる。

  • 観客(ストレンジャー)と演者が会話をしてたら横から話に割り込んでくるニセの通行人役がいる。(森川さんとソンブレロさん)

  • 観客は1.受付→2.街中の演者(7人)→3.戻って受付(カナリアホール)と移動する。

 

●導入部の雑談例

(30秒程度、例はだしておきますが何でもいいです。スムースにカンペのパートに流れてもよし、唐突にカンペのパートに行っても良い)

 

  • 今年の夏は暑かったですよね・・・

  • やっとお米が普通に買えるようになって・・・

  • 〇〇ってお店が最近できて・・・

  • 昨日の夜ご飯が散々だったんですよ・・・

  • 大谷ってやっぱり・・・

  • この間〇〇に行ったらね・・・

  • セブンイレブンのスイーツの・・・

  • 私電動アシストの自転車を買ったんですよ・・・

  • 健康診断で再検査が・・・

 など他愛のないもの、オチのないものでOK。

以下配役とセリフ(カンペ)

●たいねーさん

 

●カナリアホール入口の受付にて

 

【最初に受付の業務】

予約客はお名前を聞いてリストとチェック、料金をいただく。

当日客、料金をいただく。

「アフター8」割引の説明をする。

「合言葉「アフター8も好きです」で100円割引になります」

 

(当日しおりを渡して)

この地図のオレンジ色のあたりに

(スケッチブックを持って)

こんなスケッチブックを持った出演者がいますので見つけて近寄ってください。

(スケッチブックにカンペを貼っておきます。カンペを見ながら)

 

↓以下カンペ

演者:このお芝居は観客がストレンジャーになるという参加型の演劇です。

ストレンジャーと言うのは異邦人、他人、見知らぬ人という意味ですが、このお芝居では多数派の中で、孤立する社会的少数者もストレンジャーとして登場します。

観客がストレンジャーのフリをすることでストレンジャーを理解できるかな?というのが狙いの一つです。

社会課題を演劇を媒体にして体験してみるという、まじめな考えで作った演劇です。

といっても決してむずかしいものではありません。

結果的にはすごくバカバカしいものに出来上がっています。

 

スケッチブックを持った出演者に近寄っていくと、例えば「あ、おひさしぶりです」と話しかけてきます。そしたらあなたは

(実際にカンペをめくって)

どちら様ですか?と、答えてください。ちょっとやってみますね。

演者:あ、おひさしぶりです

観客:どちら様ですか?

演者:そう、そんなかんじ。すごいお上手です。街角でつかの間の演劇作品を参加者と出演者で作るという高尚な芸術作品です。おわかりいただけましたでしょうか?

観客:はい。分かりました。

演者:本当に分かりました?

観客:本当は少しわからないけどやってみます。

演者:そんな感じでOKです。開演時間の13:30(or16:30)になったら、エリアの好きな場所から始めてください。順番はないのでお好きなところから適当にどうぞ。本日はこのエリアに9人の出演者がいます。一人が2種類のカンペをもっていますから、お時間があれば、同じ出演者にもう一度、声をおかけください。

全員回ってしまったらここにお戻りください。また全員をまわることができない場合も、1時間でおしまいですので、14:25(or17:25)にはここにお戻りください。それではお気をつけて。

 

※注 観客が質問してくる場合は素の自分でそれに答えてあげてください。

 

●受付(最後カナリアホールにもどってきて)

 

演者:おかえりなさい。いかがでした?

観客:いやー、よくわからないです。ナニコレ?って感じです。

演者:すいません、でも長い人生の中のたった1時間だと思って、諦めてください。

観客:だから演劇なんて苦手なんです。

演者:そうですね。社会課題に真剣に向かい合った結果、「考えすぎてよう、わからんようになってしもうたんじゃ」。すいません。わたし岡山生まれで追い詰められると岡山弁が出るんです。

明日は北とぴあ演劇祭2024の最終日です。お口直しに他の劇団の公演をご覧になってみてください。

これで、終了です。ここまでが私のセリフです。ありがとうございました。

 

※注 この後、観客が何か言うと思うので、素の自分で雑談してください。

●晴美さん

■ルッキズム?

 

演者:わたし実年齢より若いってよく言われるんですよ。いくつに見えます?

観客:(つぶやく)うわ、めんどくさい人だ

演者:どうです?いくつに見えます?

観客:(あなた客が思う年齢を答えてください)〇〇才位ですか?

演者:もう一度だけチャンスを差し上げます。いくつに見える?どう?

観客:(あなたが思う年齢を答えてください)〇〇才ですか?

演者:特別ですよ。もう一回だけ。心してお答えください。

観客:(あなたが思う年齢を答えてください)じゃ、〇〇才。

演者:じゃ、って、、、あなたが思ってるよりずーーーーと上よ。もう一回だけね。ファイナルアンサー。

観客:(あなたが思う年齢を答えてください)〇〇才。

演者:ファイナルアンサー?

観客:はぁ。ファイナルアンサー。

演者:わたし130才。若く見えるでしょ。信じてないわね。きんさん、ぎんさんが同級生。きんさんぎんさん知らない?100歳の双子のおばあちゃん。テレビCMで有名になったのよ。勝海舟(かつかいしゅう)も徳川慶喜(よしのぶ)も生きてた時代よ。

観客:と言われても。

演者:最近はルッキズムってやつ?で若く見えるとか、ブスだとか、セクシーだとか言っちゃまずいでしょ。美人だって言ってもだめなのよね。

観客:文脈によると思います。

演者:ちょっとあなたインテリっぽくない?整った顔してるし。

観客:そうですか、いえ、そんなことないですよ。

演者:東大卒でしょ、、、てなこともアウトよね。

観客:はぁ。だから、、、

演者:文脈によるのよね。じゃ、この文脈で私に「お若く見えますね」って言ってみて。

観客:(つぶやく)うわ、めんどくさい人だ

 

(間、以下少し調子を変えて)

演者:私のカンペこれで終わりなんですよ。

いかがでした?

わかったようなわからないような、、、わからないですよね。

ところで私はあなたは早稲田卒じゃないかなって思ったんですがどう?違いますか?

観客:早稲田卒ですか、ファイナルアンサー?

演者:ファイナルアンサー

観客:ブッブー、不正解

演者:こりゃ、一本取られたなぁ。ヘヘッ。(間)これで、本当に私のカンペは終わりなんです。次へどうぞ。引き続きよろしくお願いいたします。

 

 

■外人?

 

演者:すいません。日本語わかります? Can you speak Japanese?(キャン ユー スピーク ジャパニーズ?)

観客:私、日本人です。

演者:ああ、日本語お上手ですね。Where are you from?(ホエアー アー ユー フロム?)

観客:だから、私は日本人です。

演者:私もね、よく日本人に間違われるんですよ。エルサルバドルのサン・サルバドル生まれ。でも日本に来て10年やさかい、もうすっかり日本人でんがな。

観客:でんがな?

演者:最初に大阪に住んでたさかい。大阪弁で日本語覚えてしもうた。で、自分納豆は食べなはる?

観客:だから、もともと日本人ですから…

演者:まぁ、ええがな、ええがな、日本人でも納豆苦手な人おるから、ましてや外人さんからみたら腐った豆や。そりゃ、無理ないで。

 

(間、以下少し調子を変えて)

すいません。私のカンペこれで終わりなんですよ。なんか、よくわからないですよね。これじゃ。

他の人のカンペはもう少しまともっていうか、

わかりやすいんじゃないかと思いますから

諦めずに次にどうぞ。

ほんと、ごめんなさいね。

引き続きよろしくお願いいたします。

●あゆねさん

 

■ルンバ?

 

演者:顔色がすぐれないようですが大丈夫ですか?

観客:すいません。

演者:大丈夫? 水飲みますか?

観客:いえ、結構です。じつはわたしルンバなんです。

演者:ルンバ、ルンバさん? 外人さん?

観客:いえ、お掃除ロボットのルンバ。玄関が空いていたのでそのまま外に出てしまいました。

演者:そう、そういうことってあるわよね。私も好きですよ。サンバとかワルツとかタンゴとか。

観客:いえ、ルンバです。

演者:そう、そう? そういうことってあるわよね。お掃除ロボットのルンバ。ルンバよね。ルンバですか?

観客:そう、ルンバです。

演者:うちにもあるわ、ルンバじゃなくてもっと安いの、アマゾンのセールで買ったんです。声が大きいのよ。「充電ベースに戻ります」とか「なんとかブラシがからまっています」とか、いつも助けを求めてくるのよ。かわいいものよね。わたしに何か力になれることあるかしら。

観客:家の外に出たのは初めてなのでちょっと戸惑ってます。

演者:そういうことってあるわよね。何事にも始めってあるから。お家の住所とかわかる?

観客:生まれは東京都千代田区神田錦町3-20 錦町トラッドスクエア5F、アイロボットジャパン合同会社。

演者:じゃ、とりあえずそこまで送ってってあげるわ。京浜東北線で1本、神田錦町なら神田駅から歩けそうだし。お水飲む?

観客:お水はいいです。わたしは床拭きのついていないタイプなので。

 

(間、以下少し調子を変えて)

私のカンペこれで終わりです。

ちょっと自分の中でも消化できなかったですが、、、

ところであなたは自分がルンバになってしまうことを想像できますか? 私にはできません。

カフカの「変身」を読んでも自分が毒虫になってしまうことはなかなか想像できないですよね。カフカは今のチェコで生まれたユダヤ人ですが、自分がユダヤ人だったらと想像することはできますか? ユダヤ人でチェコのパスポートを持って、外国語を話し、北区で暮らし、王子駅前の東武ストアで買い物して、鳥貴族王子店でメガハイボール370円で飲んで。王子なのに貴族になって。

想像することはできますか?すいません。なんかちょっと圧が強くなって説教臭くなってませんか。すいませんね。想像するって難しいですよね。

引き続きよろしくお願いいたします。

 

■異邦人?

 

演者:あの失礼ですけど

観客:はい ?

演者:ムルソーさんじゃないですか?もしかしてアルベール・カミュの『異邦人』の主人公のムルソーさんじゃないですか?

観客:ちょっとせりふが説明的になってますね。

演者:ご指摘ありがとうございます。でも、ムルソーさんですよね。

観客:へへッ、バレちゃいました?

演者:うわぁ、光栄です。高校生の頃に読みました。写真いいですか?

観客:ごめんなさい。今はプライベートなので写真は。

演者:すいません。すいません。興奮してます。

観客:ちょっと声を小さく、、、

演者:ムルソーさん、どうやって小説の中から出てきたんですか?

観客:それは私にもよくわからないです。

演者:それも「太陽のせい」ですか?

観客:もしかしていじってます?

演者:ごめんなさい。気分悪くしました?

観客:いえ大丈夫。

演者:結局ムルソーさんは司祭を追い出して死刑になってしまうんですよね。あれはどうして?

観客:『異邦人』だからなぁ。

演者:うぁ、異邦人っぽい答え。

観客:いじってます?

 

(間、以下少し調子を変えて)

演者:私のカンペこれで終わりです。ところでこのお芝居のタイトルは「やっぱりみんなストレンジャー」なのですが、ストレンジャーとは異邦人、他人、見知らぬ人という意味ですね。このお芝居では多数派の中で、孤立する社会的少数者もストレンジャーとして扱ってます。

あ、これは受付で説明を聞きました? そうですよね。わたし、思うんです。社会的少数者をストレンジャーとするということ自体にも多少疑問がありますが、観客がストレンジャーのフリをすることでストレンジャーを理解できるかという狙いが安易な気がします。

その上よくよく考えてみるとストレンジャーのフリしてないんじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。っていわれても困りますね。

引き続きよろしくお願いいたします。

●タニスギ

 

■デジャブ?

 

演者:こんにちは

観客:前にもお会いしましたよね?

★演者:いえ、初めてお会いしましたけど。初対面です。

観客:いや、いや、ちょうどこんなふうに、

演者:こんなふうに向かい合ってお話したことがあったって?それ、デジャブってやつじゃないですか?

観客:デジャブ?ああ、これがデジャブですか。

演者:だと思います。初めての街で、あれ、ここには前にも来たことがあるぞとか、こんな感じにお話したことあるぞとか。デジャブってやつですよ

観客:日本語で既視感(きしかん)って言いますよね。

 

(間、以下少し調子を変えて)

演者:でも私もたしかにこんなことが前にもあったような気がしています、すいません。気のせいですかね。 私のカンペはこれで終わりです。

引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

同じ人がまわってきたらもう一度声をかける。

もし観客が「もう、さっきやりました」みたいなことを言ったら、「それでデジャブじゃないですか、初めてお会いしましたけど」といって★のところから始める。

●森川さん

 

外国人観光客

独自の役(カンペなし)

出演者と観客のやり取りが終わったところに、インバウンドの観光客として話しかける。

1万円札を見せて

「シブサーエーイチ、ドコー? オシエテークダサイ、プリーズ」

●玲子さん

 

■玲子さん?

 

観客用のカンペ「そうですね」の1枚のみ。

基本、玲子さんのアドリブでお願いいたします。

 

(カミュの異邦人をテーブルにおいて)

観客は常に、「そうですね」と答えればOKみたいなことをいくつか言う。

 

【アドリブ例】

・私なんてもう3年出演してるけど、台本はいつもなしなのよ。ひどいと思わない?

「そうですね」

 

・台本には、玲子さんワイン飲みながら店頭でくだまく。の1行だけなのよ。でも、今日は雨振らなくて良かったわね。

・今年の夏は異常よねー

・これから少しはすずしくなるのかしらー

・そういえばストレンジャー・ザン・パラダイスっていうジム・ジャームッシュの映画もあったわね。

・さっきから「そうですね」しか言わないけど、人の話聞いてるの?

などなど(もっと玲子さんらしい話のほうがいいと思うけど)

 

適当なところで、

こうやって、街角でワインでも飲んでれば、気分はシャンゼリゼよ。わたしはパリジェンヌ。どう?そう見えるでしょ。

「そうですね」

はい、私のパートはこれでおしまい。次に行って下さい。ありがとうございました。

で〆る。

●ハチさん

 

■ハラスメント?

 

演者:豊かな人間関係を築くには、まずはコミュニケーションが大事ですよね

観客:ええ、まぁ、

演者:コミュニケーションの基本は返事ですよね。

観客:あっ、はい、まあ、そうですね。

演者:曖昧な返事は、返事じゃないわよね。

観客:はい!

演者:ちゃんと返事できない人は、だめ、ですよね。

観客:はい!

演者:違いますか?

観客:はい、はい。

演者:返事は1回よね。

観客:はい。

演者:返事はコミュニケーションの基本ですよね。

観客:はい。

演者:これさっきも言ったわよね。

観客:はい。

演者:はい?

観客:はい。

演者:底辺×高さの2乗は、三角形の面積よね。

観客:はい、、、

演者:E=mc2(イーイコールエムシーの2乗)よね。

観客:は?い?

演者:アインシュタインはクイーンのギタリストよね。

観客:えーと、それは違うと思います。

演者:はい?

観客:違うと、、、思います。

演者:はい。

 

(間、以下少し調子を変えて)

演者:私のカンペこれで終わりです。

クイーンのギタリストはフレーディ・マーキュリーです。

観客:ブライアン・メイです。

演者:そうよね。ギタリストはブライアン・メイ。知ってます。ちょっと勘違いしただけ。私が若い頃、世界中が熱狂した伝説のロックバンドよ。1982年11月3日の西武球場には私も行ったわよ。

クイーンの音楽は、ただのロックじゃないの。オペラみたいな壮大な曲から、ノリノリで踊りたくなるようなポップな曲まで、とにかくバラエティ豊か。特に『ボヘミアン・ラプソディ』は、ロック史に残る名曲中の名曲。あの曲の構造とか、アレンジの仕方は、今でも革新的だと思うわ。

自伝映画『ボヘミアン・ラプソディ』が世界中でヒットしてクイーンが再評価されたわよね。

メンバーも個性派揃いでね。ギターのブライアン・メイは、自分でギターを作っちゃうほどのクレージーだし、ドラムのロジャー・テイラーは、医者になりかけだったっていうのも面白い話よね。

日本との縁も深いのは知ってる?フレディは日本の文化が大好きで、着物姿もよく見かけたわ。それに、クイーンの楽曲の中には、日本の伝統楽器、三味線が使われてる曲もあるのよ。

それとクイーンのシンボルマーク、あれね、フレディがデザインしたんだけど、実は彼の歯がモチーフなの。ちょっと面白いでしょう?

ごめんなさい。すこしエキサイトしたわ。

と、ここまでが私のカンペ。私のカンペこれで終わりです。

ちょっと最後のクイーンのうんちくが長かったですかね。

引き続きよろしくお願いいたします。

 

 

■普通?

 

演者:私少し変わってるんです。

観客:そうなんですか。

演者:子供の頃からです。少し変わってるって言われます。

観客:だから演劇とかやってるんですね。

演者:ああ、そうかも知れません。みんなと同じようにできないんです…協調性に問題有りとか。個性の時代だって言われてたのに。同じことができないと。

観客:個性を出せって言われましたよね。

演者:なんか生きづらいなぁって、「生きづらい」ってちょっと使われすぎて、「はい、はい、でました、生きづらい」みたいな言葉になってますけど。

観客:ですね。

演者:でね、大人になっていろんな話聞いたり、本読んだりしたら、発達障害の一種かなぁって。

観客:「はい、はい、でました、発達障害」

演者:遠まわしな表現や比喩を使った表現が苦手なんです。自分の話ばかりしてしまったり、学校の成績は良いんです。私は上の下。でもクラスメイトと意思疎通が難しい。というのはよく感じました。こだわりが強くてすごく手順にこだわったり。

観客:わたしは普通。興味のあることはいろいろありますけど、こだわりはないなぁ。

演者:普通ってのが分かりづらいんです。

観客:そうですか?普通ですよ。

演者:普通?

観客:そう普通。

 

(間、以下少し調子を変えて)

演者:私のカンペこれで終わりです。次にどうぞ。普通ってむづかしいですよね。これが普通っていう数字があればわかりやすんですけど。でもそんなこと考えること自体が普通じゃないんですかね?とにかく普通って難しい。

引き続きよろしくお願いいたします

●パパリンさん

 

■ハーフ?

演者:突然ですけど私ハーフなんです。

観客:そうなんですか?

演者:最近はダブルとかミックスって言いますよね。

観客:ハーフには見えませんけど?

演者:ハーフって半分ってことですから、ちょっとネガティブな感じがあって、、、

観客:私には差別的な意識はないんですけど。

演者:すいません。間違えました。私ハーフじゃありませんでした。

観客:やっぱり。ハーフには見えませんよ。

演者:母方のおばあさんがロシア人なのでクオーターでした。

観客:じゃ、ダブル・ダブルですかね?

演者:ダブル・ダブルってなんだか昔の漫才コンビみたいじゃありませんか?浅草あたりのあんまり売れないおじさん2人組みたいな。

観客:すいません。差別的な意識はないんですけど。

演者:ハーフの言い換えがダブルなら、クオーターは4倍、4X(フォーエックス)ですかね

観客:差別的な意識はないですよ。

演者:ところでハーフ本人は自分のことハーフって言ってる場合が多くて、当事者はあまり気にしないようです。

観客:言っときますけど差別的な意識はないですから。

演者:日本国籍をもってれば日本人だし、日本人かハーフかとか、ハーフへの差別意識があるのかという問い自体が少しおかしいというか、

観客:わたしは、、、

演者:ハーフでない日本人とまったく同じ生活をしているにもかかわらず、日本人ではなく、外国人として扱われる経験がすごく多いと感じているハーフは多いそうですよ。

観客:差別的な意識は、、、

演者:外見的な特徴だけで、その人のルーツを想像し、色眼鏡で見ているかってことです。

観客:私はちがいますよ、、、

 

(間、以下少し調子を変えて)

演者:すいません。ごめんなさい。わたしはあなたが差別意識をもった人だなんて思っていませんよ。安心してください。今このカンペにかいてあるから少し威圧的に読んでしまっただけです。と、ここまでが、私のカンペ。他の人はもっとやさしい感じでいけると思いますから、引き続きよろしくお願いいたします。

 

 

■ちょい役?

 

演者:ちょい役って分かります。

観客:ちょい役?

演者:ええ、ドラマや舞台でほんの少しだけ出演場面があって、物語全体にはあまり影響しない。ほんのちょっとだけ、出演する役がちょい役。

観客:そうですか。

演者:そう、こういうのが、これがちょい役です。

 

(間、以下少し調子を変えて)

すいません。これだけです。ちょい役なんで。ほんとうにちょっとなんです。引き続きよろしくお願いいたします。

​​​

 ●水沼さん

 

■勘違い?

 

演者:今下さん? あ、ああ、あの今下さんかな? 今下さんならうちの馴染みのお客さんですが、

って言うか、馴染みのお客さんだったんですが……。もうずいぶん前から来店されていないですね。

観客:なんですか、突然。

演者:最初にお見えになったのはあの地震の数日後だったと思います。どこかに差し入れで持っていくって。うちに立ち寄らなくなっただけじゃなくて、最近はこの前を通る姿さえ見ませんからね。どうしたんだろ、どこかへ引っ越しちゃったのかな……。

観客:えーと、なんのことですか?

演者:気前が良くて、今日はこれがおすすめです、ってお伝えすると、ああじゃあそれも、なんて買ってくれるんです。気立てが良いから僕たちスタッフにも気軽に話しかけてくれて、冗談を言ったり、気を遣ってくれる人でしたね。でもちょっと影のある感じもしましたね。それにしても大きなサイズのピザを複数枚買われていたので、ご本人もピザ好きでしょうけど、ご家族がピザ好きなのかな……。家族がいるのかも知らないですけど。でもいつもたくさんテイクアウトで。あ、今下さんのことはそんな印象です。

観客:なんお話ですか?話が見えないんですが、、、

演者:なにか今下さんについて聞いて回っているんですか?

観客:わたし? わたしはなにもやってませんよ。

演者:小説家が? なんで小説家が今下さんのこと、調査してるんでしょうね。

観客:なんか怖くなってきました

演者:大変ですね。頑張ってください。ほかのスタッフにも聞いておきますよ。もしよかったらあとでお立ち寄りください。お待ちしていますので。

観客:頑張るって何をカンバれば、、、

演者:すいません。このカンペ間違ってました。これ昨年のセリフのカンペでした。

観客:えっ?

演者:どこで間違えたんだろう~。

観客:大変なんですね。頑張ってください。

 

(間、以下少し調子を変えて)

演者:私のカンペこれで終わりです。セリフでは昨年のカンペと間違えたっていいましたが、わざと間違えたんです。劇ですから、ウソとか平気で言ってしまうんです。わたしはウソとかつけない真っ当な人間なんですけど、劇のなかでは平気でウソつけますね。そんなのあたりまえですか?って、ここまでセリフなんですけど。実は。

引き続きよろしくお願いいたします。

 

 

■性自認?

 

演者:あなたの性別を教えていただけますか?

観客:(男性の場合は)→男性です。

   (女性の場合は)→女性です。

演者:無理してない?

観客:無理なんかしてないですよ。普通です。

演者:子供の頃から男はマッチョで男らしく。アタタタタ、「お前はもう死んでいる」とかケンシロウのマネとかして、女は女らしく、リカちゃん人形で遊んで、「私リカちゃん、パパは香山ピエール、フランス人で、36歳の音楽家。ずっと行方不明だったのよ」とか。

だから、もう、無理しなくても大丈夫ですよ。そんなに自分を演じたりしなくていいんです。

観客:演じたりしていませんよ。

演者:そう、それでいいの。演技なんてしなくていいのよ。東京都にも相談窓口があるから、Tokyo LGBT相談専門電話、050-3647-1448、性別に違和感がある、同性が好きかもしれない、より自分らしく生きたい、服装などの性表現について聞いてほしい、ロールモデルを探している などが相談できるみたいですよ。受付時間は火曜日・金曜日、18時~22時。週に2日かぁ。祝日・年末年始はお休み。東京都も考えてるのよ。私だっていろいろ考えてるけど。

観客:ありがとうございます。でも私普通ですから。

演者:だから、演技なんてしなくていいんです。普通なんて、普通なんて。普通なんてないでしょ。

 

(間、以下少し調子を変えて)

私のカンペこれで終わりです。

演技しなくていいとセリフの中では言ってます。

性自認の問題とは別ですが、

演技しなくていいといいながら

演技しているのが変な感じでした。

カンペ読んでいただいてありがとうございました。

あきれました? 大丈夫? 他の人はもっと普通だと思います。

引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

​​​

ソンブレロさん

​harb teaさん

独自の役(カンペなし)

森川さん

 

■証明書?

 

演者:こんにちは

観客:出演者さんですか?

演者:そうです、ご安心ください。怪しいものではありません。

北とぴあ演劇祭参加作品「やっぱりみんなストレンジャー」の役者です。

観客:えーっ? 本当ですか?

演者:えーと、本当です。

観客:証拠は?

演者:えーと、特に証明書とかもないんですが、あっ、仕事の名刺はあります。

観客:名刺なんて印刷できますよね。

演者:免許証とか、マイナンバーカードも持ってますよ。

観客:あなたが出演者、という証明にはなりませんよね。

演者:でも、ほら、こんなカンペ持ってるし。

観客:こんなのそこでチャチャっと書いたんじゃないですか?

演者:たしかにチャチャっと書きましたけど、、、

観客:あやしいなぁ、、

演者:怪しくないでしょ

観客:いや、あやしい、出演者らしくないです。

演者:出演者ですよ、信じてくださいよ。

観客:役者さんならもっとシュッとしてません?

演者:そりゃ、シュッとはしてませんけど。

観客:あやしいなぁ

演者:あやしくないですよ、あやしいのはあなたじゃないですか?

観客:えっ、私ですか?

演者:あやしいですよ。観客には見えない。セリフも多いし、滑舌もしっかりしてるし。

観客:わたしは、ただの観客ですよ。

演者:「あめんぼ あかいな あいうえお」って言ってみてください。

観客:「あめんぼ あかいな あいうえお」

演者:やっぱり、あなたは観客じゃない。出演者でしょ? 素人がそんなにさらっと言えるわけがない。

観客:えっ?そうですか。

演者:絶対出演者ですよ。

観客:なんだか、だんだん、そんな気がしてきました。そうかも、わたし出演者かも。

演者:やっぱり、そうですよ。

(間、以下少し調子を変えて)

観客:私のカンペこれで終わりです。わたしは本当は出演者でした。どうして観客だなんて思っていたのでしょう? どうして安心して大多数の中のひとりだと思ったのでしょう? 北区35万人の中のひとりでしかありませんでした。私はこのお芝居の当事者です。全体からみるとたった一人のストレンジャーです。

引き続きよろしくお願いいたします。

 

 

■そうなんですか?

 

演者:突然ですけど最近いろんなことが問題になってますよね?

観客:そうなんですか?

演者:令和の米騒動、大丈夫でした? 大変でしたよね。どこも売り切れで。

観客:そうなんですか?

演者:最近はパワハラとかも問題になっていて、ほら県知事とか。

観客:そうなんですか?

演者:もうじき衆院選ですよね。どうなるんでしょうね。

観客:そうなんですか?

演者:貧困の格差とか。

観客:そうなんですか?

演者:株が乱高下。円高になったり円安になったり。

観客:そうなんですか?

演者:アメリカの大統領選挙の結果によっては日本も大変なことになるかもしれませんよね。

観客:そうなんですか?

演者:イスラエル、ガザ、シリアも、イランも、レバノンも。

観客:そうなんですか?

演者:ちょっと忘れかけてたけどウクライナも

観客:そうなんですか?

演者:空き家問題。

観客:そうなんですか?

演者:独居老人。

観客:そうなんですか?

演者:少子化、介護、年金。

観客:そうなんですか?

演者:ゲリラ豪雨、南海トラフ、地球温暖化

観客:そうなんですか?

演者:わけわからん演劇

観客:そうですね。

(間、以下少し調子を変えて)

演者:私のカンペこれで終わりです。問題がたくさんありすぎて笑っちゃいますね。と笑っている場合じゃないですのはわかっているけど、笑うしかありませんね。いやいや、笑ってる場合じゃないですよ。じゃ、がんばっていきましょう!

引き続きよろしくお願いいたします。

(ここはカンペを見ないで)

ところで関係ない話なんですけど、北とぴあのロビーにスノーマンの目黒蓮(めぐろ れん)がいましたよ。どっかの劇団の人が目黒蓮のお母さんとママ友とかでお芝居を見に来たって。

観客:そうなんですか?

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