work002
マゴビキ、あるいは他人の靴の履き方
Requotation or If you wear the shoes of others
アタマの中を交換するような共有するような
と、いうのは、何かの本で読んだんだけど、小説を読むという体験は他人の靴を履く経験に似ている、と。
つまりそれは体温とかも含めて他人のクセのついたもの、
他人=異物に触れる経験ということでしょ。まるっと言うと。
そんな体験だったら演劇の方がもっと深く簡単にできるんじゃないかというのが
この『マゴビキ、あるいは他人の靴の履き方』なんですが、それが?
ところで私の意思って
人が自信を持って意見を言う時、それは本とか誰かに教えられた事とかが多いそうです。
つまりは自分の意見ではなく人の意見や何かの引用。
でももう一段考えて言葉を微分すると、言葉って全部引用ですよね。 そうですよ。
と、私が自信を持って言えるのはそんな事を本で読んだからなんです。
●
観客(参加者)は2人一組でヘッドホンをつけ、湖をめぐる物語を聞きます。
(対面の観客はまったく別の音声を聞いています)
物語の進行にあわせ指示が出され、観客は机上の小道具(地図やカード、自分のフィギュア)をひっそりと動かし、指示通りに動きます。
途中で向かい合わせの観客は席を交代、目の前の観客は何を指示されどのような行動をとったのか追体験します。
(この時点でさっき前の人は上を見上げていたが、実際はこうだったのか……と、お互いに気づきます)
観客/参加者が演技者であると同時に観客になるよう設計された演劇作品です。
後半では次の回の観客が入場してきて前の回の観客たちを観察することとなります。
テーブルのまわりでは物語に関連し3人の演者による演技が行われています。
特設サイト→
2011年
SPACE雑遊 新宿三丁目スタジオ
■出演 ますだいっこう 尾崎彰雄 小林佑太 第二次谷杉
■声の出演 滝野洋平(劇団俳協) 里中海奈(劇団俳協)
■撮影 久保田耕司 (クレパ)